色々な人が色々な環境設定をしてアクアリウムや水槽創作を楽しんでいます。
ここではアクアズームのアクアリウムを基にして、
皆様からよくいただく質問・疑問に答えていきます。
従って全ての水槽に対し当てはまるものではないことをご了承ください。
Q.水槽の大掃除を行わないのはなぜですか?
A. それは、水槽内の生物や植物たちが、時間をかけてつくり上げた生態系を壊さない為です。大掃除することは、水槽内に生きづく”いのち”たちの為の環境設定を破壊することになります。
アクアズームで制作された水槽は、部分清掃が基本となります。結果、より手間の掛からない水槽管理が実現します。
”いのち”たちが育む為の環境設定の構築は、アクアズーム独自のノウハウが山のように凝縮されています。
完成まで3~4ヶ月の期間を頂きますが、この短期間で生態系をお届け出来るようになるまで、30数年の経験、ノウハウの積み重ねが必要でした。
Q.水が綺麗なのはなぜですか?
A. アクアズームの水槽の水は、いのちの育む水だからです。
水道の蛇口から出てくる「水」は物理的には綺麗ですが、生物的には無味乾燥な「水」なのです。
微生物も含めた共生関係のとれている水槽内の水は、水そのものが生きているとお考え下さい。
せせらぐ小川を流れるものと同じ水が、アクアズームの生態系を維持しています。
Q.アクアズームの作品はなぜ高額なのでしょうか?
A. 環境設定の構築の為には、惜しみなく最良の材料を選択します。
自ずと水槽や設置する流木など、ハードにかかる負担は大きくなります。
そして時間と手間を掛けて育て上げていきます。
しかし、こうして完成された水槽は、ランニングコストのかからない、あなただけのステージとなり、長い期間にわたって癒しと美しさを維持し続けます。
Q.活性炭を使わないのはなぜですか?
A. 活性炭は多孔質な特性を活かし、汚れを吸着する優れものです。
しかし、汚れを分解するわけではありません。何週間後には、交換しない限り、ヘドロの塊と化します。
更に、水のペーハー値を上昇させ弱アルカリへと導きます。
アクアズームで植栽する水草は、南米産のものが大半を占め、弱酸性の水中を好みます。これらの生息水に基づき、アクアズームでの育成水も弱酸性です。
従って、活性炭使用は水草ばかりか、同じ生息水を泳ぐ魚にも悪影響を及ぼす危険があります。
これらの理由より、アクアズームでは活性炭を使用せず、バイオフィルターによる水質維持システムを独自に開発しました。
Q.濾過層を清掃しないと聞きましたが、本当ですか?
A. 濾過槽の清掃は必要ありません。
AquaZooM オリジナルシステムによる濾過層の設定の為、好気性バクテリアがバランス良く配列されています。
アクアズームでは濾過層を「心臓」と捉えています。
洗うことは、即ち、心臓を停止させることと同義であり、機械等の故障以外では電源を抜くことはタブーとしています。
Q.エアーを入れないのはなぜですか?
A. 水草水槽内には、水草が光合成を行うに必要なCO2を供給しています。
エアーレーションをして水をバッキさせることは、CO2を気中に逃がすことの強制作動に繋がります。
加えて、水のペーハーを上昇させ、活性炭の項で説明した危険も起こりうる可能性もあります。
Q.草に肥料を与えないのはなぜでしょうか?
A. これは水草ばかりか、地上の草木にも言えることなのですが、バランスのとれた世界では人工的追肥が過剰栄養となります。
魚たちのフンや、バクテリアが分解した微量のリンなどの有機物で、必要十分な栄養は補給されます。
地上の草木たちと同様、水草たちは、微量な栄養元素で十分生育します。しかも、共生するいきものたちの存在がある限り、いきいきとした新芽を見せてくれます。
Q.特注の高透過ガラスなど、ガラスにこだわるのはなぜですか?
A. ひとつにはガラス面に着くコケの問題があります。
粗悪なガラスで作製された水槽は、ガラス表面の凹凸が激しく、凹面にこびリ着いたコケは排除しにくくなり、傷を付けてしまうことにも成りかねません。
第二に、ガラスの劣化の問題があります。
アクアズームでは、10年先を見越して水景を制作します。長期維持のポリシーの為、水槽劣化は致命傷になるのです。その為、ガラスは質の良いものを厳選します。
Q.フタの無いアクアリウムに衝撃を受けました!
A. オープンアクアリウムという種類のアクアリウムをAquaZooMでは制作しています。
水槽に蓋をしないオープンアクアリウム発祥の地は、ヨーロッパとされています。
それには、科学文化と生活環境の要因が大きく関与しています。
日本においては、今でこそオープンアクアリウムに欠かせないメタルハライドランプを求めることが出来るようになりましたが、「アクアズーム」が日本 で初めてオープンアクアリウムの専門店を銀座の地に開設した当時は、水銀灯使用がオープンアクアリウムの主流で、メタルハライドランプのアクアリウム仕様 を求めることが困難な時代でした。(工業向けのメタルハライドランプは入手可能でしたが)
私、三浦達雄は、写真家という立場から、「アクアズーム」の立ち上げの際にメタルハライドアクアリウム仕様を用意できたことが幸いしてか、水槽に蓋をしないオープンアクアリウムが日本において広まり始めたのです。
オープンアクアリウムには、いくつかの利点があります。
そのひとつには、いつでも気になる水面の様子を窺えます。
もうひとつには、光に向かう水草の美しい正面の真顔を見ることができます。
そして、水面ぎりぎりに張り詰めた「水」が、私には程好い緊張感を与えてくれるからです。